著者:MAUPASSANT, Guy de. タイトル:Le Vagabond. サイズ: 縦 約28.0cm 横 約21.0cm
1902年にパリの「書物の友協会」(La Socit des Amis des Livres)で刊行された挿絵本で、透かし入りの高級紙papier vlin d'Archesに刷られています。限定115部のうちの37番本で、Anatole de Claye男爵という購入者の名前が奥付に印刷されています。(購入者毎に活字を組んで1ページを作るという大変手間のかかるもので、最高級の挿絵本のみにみられるものです。) フランスのアール・ヌーヴォーの版画家として高名なスタンラン(Steinlen)のカラー・リトグラフが全ページに亘り50点入っています。 また、表紙のリトグラフもスタンランのものですが、ジャポニズムの版画の代表例と言え、雨の表現や直線的な構図は浮世絵の影響を受けていることがはっきりとわかります。
タイトル:Le Vagabond.
サイズ: 縦 約28.0cm 横 約21.0cm
1902年にパリの「書物の友協会」(La Socit des Amis des Livres)で刊行された挿絵本で、透かし入りの高級紙papier vlin d'Archesに刷られています。限定115部のうちの37番本で、Anatole de Claye男爵という購入者の名前が奥付に印刷されています。(購入者毎に活字を組んで1ページを作るという大変手間のかかるもので、最高級の挿絵本のみにみられるものです。)
フランスのアール・ヌーヴォーの版画家として高名なスタンラン(Steinlen)のカラー・リトグラフが全ページに亘り50点入っています。
また、表紙のリトグラフもスタンランのものですが、ジャポニズムの版画の代表例と言え、雨の表現や直線的な構図は浮世絵の影響を受けていることがはっきりとわかります。
装丁は、当時のオリジナルの仮綴じです。
本書を刊行した「書物の友協会」は、ベル・エポック期の代表的な愛書家アンリ・ベラルディが会長を務めており、115名の会員向けに挿絵本を定期的に刊行していましたが、本書もその1つです。
本作品は以下の書誌で紹介されています。
Gordon N.Ray著「The Art of the French Illstrated Book 1700 to 1914」444ページ
前表紙が背から分離していますが、表紙に破れ等はなく、大きな欠点は見当たりません。刊行から120年近く経ている本としては状態は良好だと思います。